全国パーキンソン病友の会熊本県支部の交流サイトです     ご一緒に楽しい人生を!

最新情報 NEWS

DBS(脳深部刺激療法)手術体験談

平成30年12月6日
友の会熊本県支部会員     K.T  
     




体験録として残そうと思ったのは手術の結果が良かったからにちがいない。拙稿ではありますが、少しでもお役に立てればの思いから筆をとりました。

熊本大医学部附属病院5階の個室から眺める銀杏の街路樹、ほんの1週間前までは鮮やかな黄葉の装いでふっくらとしていたが、入院している間にみるみるうちに落葉しはじめ1枚1枚と枯葉になって散っていく。また、来年を期して名残惜しそうに散っていく。

本当に年末に向けて大慌てであった。今般、発端となったのは、何と言ってもどうしようもないところへきてしまったからである。小生、パーキンソン病を発病して9年位になる。薬の量はアゴニスト2、エルドパ3ポイントと安定的に推移していた。(これをハネムーン期というのだろうか) ところが、今年になって急に増えだした。エルドパが6ポイントになってしまった。分薬で増えたこともあるが、薬自体効かなくなっているのがそもそもの原因であろう。主治医の中西亮二先生にDBSのお願いをしたのが、確か9月19日(水)、それからとんとん拍子に話が進み2ケ月後の11月22日(水)には山田和慶教授のご執刀を終えたというのであるから慌ただしいにもほどがある。本当に年末になってバタバタと急がせてご迷惑をおかけしました。しかし、このような信じられない動きの良い快適な身体にしていただき有り難く感謝申し上げる次第です。また、懸命に看病していただいた山村理仁医師、大変お世話になりました。

小生の症状はジスキネチャーはあまり出なかったように思ますが、突然のオフにみまわれたり特に夕方の6時から明朝までのウェアリングオフが特にひどかった。足がすくんで全く動かなかい状態にあった。しかもこのような症状になったのは今年の6月頃からであり、あまりにも急激な症状の変化でありました。(6月の薬調整では薬の効きが悪く慌ててノウアリスト20mgを増やしてもらったばかりでありました。) 山田先生によると病状は中期というよりすでにその先の活動期には入いっているのではないのではと診断されました。小生の場合、最近は薬もエルドパ6、アゴニスト2ポイントと増え、薬による副作用もありあり、幻覚も現れ、睡眠障害も激しくなり寝不足による体調不良が続いていたところへ今年に入って薬の調整で6月に再入院をした頃から不安定になってきました。繰り返しますが、OFFが出始め夕方7時から翌朝までは完全なすくみ足に状態になる。薬も増えていき体が動かない薬も増える。幻覚や睡眠障害も激しくなり、それどころの話ではなくなったのです。DBS手術を受けるかどうかの迷うどころの話ではなくもうDBS以外に行き着く先はないと思うようになりました。手術を受ければ何とかなるだろうと。念のためということで「心筋シンチ」の検査を受けました。小生は間違いなくパーキンソン病であることを山田先生より告げられました。不幸中の幸いなのかなるなら症候群とかではなくはっきりした病名の方が治療しやすい、むしろはっきりして良かったとほめられているのか、複雑な気持ちになりました。

【手術に当たり山田先生より説明を受けた点】

・手術は朝の8時から始まりました。通常は4~5時間かかるようであり、昼すぎには終了しました。リート線をミリ単位の正確性で装着することがこの手術の核心であるようで通常埋め込みまでは局所麻酔でいくところを山田先生は最初から全身麻酔で行うとのことでありました。局所麻酔を一番恐れ、不安に思っていましたので、山田先生の技術に救われた思いでありました。山田先生はDBSの効果は症状の改善の底上げであるということ特に言われています。間違ってはいけないのは、以前悪かったレベルの症状の改善が期待できるのであり、以前から良かったところがさらに良くなるのではないということだそうです。この辺が間違って理解され、転倒事故の多くがこの種のケースで起きているそうです。

・薬の量が減らせたのは何よりも良かった思います。本当に不思議なくらい半分に減らせたのです。薬の副作用といわれるものから脱却できたのが一番です。幻想は無くなる。ジスキネジアも無くなった。副作用からくる様々な症状から解放されたからである。小生毎朝背中から腰に掛けてヒキツッタような痛みで起こされていたが、無くなったのである。これも薬の副作用らしい。薬は減らすに越したことはない。大体薬は半分位に減らせるようです。

・やはり開頭したためか、手術して3~4日は頭痛に悩まされた。

・DBS手術後はMRIは受けられなくなるようです。電磁波は避ける携帯電話は10cm以上離す。電子レンジも注意する。覗き込まないようにすればよい。パルス発生器は右鎖骨下に一個埋め込む。管理操作は一切医者が行うことにする。その方が患者は楽だと思うから。また、交換式にするため、2・3年に一度充電の手術が必要である。空港セキュリティチェックの金属探知機も要注意である。海外旅行も含め手帳を振りかざすことだ。

・小生の場合あまり気にならなかったが、脳をいじることにより多少の言語障害、認知度の低下がみられるようであるが、小生の場合はあまり気にならなかった。

参考 薬服用の推移 (一日当たり)

【DBS前】 【DBS後】

ノウアリスト20mg 2錠

トレリーフ50mg 1錠 トレリーフ50mg 1錠

スタレボL100 4錠 スタレボL100mg 3錠

スタレボL50 2錠

ドバコールL50 2錠 以上
        
                                                                                        
                                                                                                               

コメント投稿フォーム

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP